教え上手は褒め上手
>対象: 小学・中学生
約15年前に、小学4年生のAさんは、個別専科へ来る前に習字に通っていました。
ある日、その彼女が個別専科へ来た時に、的を得たコメントをズバッと言い放ちました・・・
「習字の先生が、上手っ上手!ってなぁ、
やたらほめすぎるし!!
別にわたし上手じゃないし。ほめれば喜んで書くと思ってるし。」
この子には、お世辞は通用しません。
大人の魂胆が見透かされています。
簡単に褒めると、かえって傷つけることになります。
どんな分野でも、実力者は自分を客観視できます。
きっとAさんは、自分の習字の出来を自分で判断できる程、レベルが高いのでしょう。
だから、納得のいかない出来の時に褒められると、それを敏感に察知してしまうのかもしれません。
「とにかく子どもは褒めれば伸びる」、と甘く考えている先生(塾だけでなく、習い事全般の先生)が多いような気がします。とても雑に、「ただ褒めていればいい」、なんて事を口にする先生(お年寄りの方に多いですが・・・)に、今までたくさん出会ってきました。
確かに、習いたての初心者には、「ただ褒めればいい」が通用するのでしょう。
でも、実力が上がるにつれて、次の段階に上がるので、毎回同じできる事を褒め続けるわけにもいきません。したがって、褒める頻度が上達により徐々に減っていきます。
褒める頻度・・・ 初級者>中級者>上級者
高校3年生に、小学生の問題を解けたときに「すごい」と言っても、むかつかせるだけです。
最近では、「私は褒められて伸びるタイプだから」、と自分から言ってくる生徒もいます。また、「うちの子は褒めて伸びるタイプだから、たくさん褒めてください。」と保護者の方からもよく言われます。
教え上手は褒め上手、といいますが、本当にその通りだと思います。
褒めるって難しいのだなぁと、思ったときに、ふと冒頭の小学4年生のAさんの言葉を思い出します。その時に、教えられたことはことは、今でも活きています。
子どもに「子どもだまし」は通用しない!